研究の内容
- これまで、人生の中で起きるトラウマやストレスフルな出来事をきっかけにして、人が、どんなふうに、心理的に、認知的に、社会的に、そして精神性的に変わるのかということについて研究をしてきました。私の日本語での履歴書は、ここに載せてあります。
- つらい体験に引き続いて生じるいろいろなことに関しての、幅広い研究にたずさわっていますが、これまでは、心的外傷後成長(ポストトラウマティック・グロウス)というキーワードに関係した研究を多く行ってきました。これは、人生における危機的体験や非常につらく大変な出来事を経験するなかで、悩み・もがきなどを通して、人間として成長すること、そのような実感があることを意味します。それを従属変数とする研究をたくさん行うことで、結果としてPTGの実感がある方が望ましいというメッセージを発信した反省にたちかえり、2020年から徐々に研究の方向性を変えてきて今に至ります。
- 今は、価値観も背景も性格も状況もすべてが異なる一人一人を尊重するために、多様性をもっと研究に持ちこんで、どういう状況で,どんなふうに,何が変わること・変わらないことが、どういう意味を持つのか、特に変わる瞬間、変わったと認識する状況や条件に着目して研究を行っています。
論文について
- 英語の論文はこのウエブサイトの中の「Publication」のところからダウンロードできます。できない場合には直接メールをください.
- 「ゲーム感覚で身につく論文執筆ー『今よりもっと論文を書く』と決めた研究者へ」という本を飯村周平先生,松井智子先生と風間書房から出版させていただいたので,それに関連して,論文執筆に役立ちそうなリソース(APAにもとづいて作成した表や,論文のフォーマット,出版に至った論文のもとのワード文書など)は,このリンクに載せてあります.
- 研究テーマなど関心のあることについて動画を配信しています.
- 2020年8月発行の体育の科学(杏林書院)第70巻8号に,法政大学,荒井弘和先生と「新型コロナウィルスの感染拡大とアスリートセンタード」をまとめ寄稿致しました.
- 2019年9月に丸善出版株式会社から出版される「健康心理学事典」の中で,『心的外傷後成長』について解説いたしました.
- 2021年2月出版の,「看護のためのポジティブ心理学(秋山美紀・島井哲志・前野隆司編)医学書院」に,廣岡佳代先生と「心的外傷後成長(PTG)とは」を寄稿致しました.
- 2019年8月発行の体育の科学(杏林書院)第69巻8号に「ネガティブな体験が導く心の成長:アスリートになぜ逆境がふりかかるのか」を寄稿致しました.
- 2016年12月15日発行の日本精神衛生会「こころと社会」第166号(47巻4号),『メンタルヘルスの広場』に,「心的外傷後成長 PTG (Posttraumatic Growth):何が本当か. p.109-113」を寄稿致しました.
- 2017年9月発行の金剛出版による雑誌,臨床心理学101,第17巻5号に「レジリエンスとPTG(Posttraumatic Growth)」(P.654-658)」を寄稿しました.
出版物について
- 2022年5月,「心理学の卒業研究ワークブック」の動画版を公開していただきました.
- 2022年3月,「ゲーム感覚で身につく論文執筆ー『今よりもっと論文を書く』と決めた研究者へ(風間書房)」を出版しました.
- 2021年7月,「コロナ禍と心の成長ー日米におけるPTG研究と大学教育の魅力(風間書房)」を出版しました.
- 2016年11月,27名の著者からなる「PTGの可能性と課題(金子書房)」が出版されました.
- 2015年9月1日,小塩真司氏と共著で,「心理学の卒業研究ワークブック:発想から論文完成までの10ステージ(金子書房)」を出版しました.
- 2014年3月31日,「悲しみから人が成長するとき―PTG(風間書房)」を出版しました.
- PTG Handbookの日本語訳を医学書院から出版させていただきました.題名は,「心的外傷後成長ハンドブック:耐え難い体験が人の心にもたらすもの」です.
- 博士学位論文を風間書房から出版いたしました。題名は、「外傷後成長に関する研究:ストレス体験をきっかけとした青年の変容」で、2005年に名古屋大学に提出した論文を中心にまとめなおしたものです。この本の出版にあたっては、風間書房様にずいぶんお世話になりました。またオークランド大学から助成金をいただいたおかげで出版することができました。深く感謝いたします。
- また金子書房から、近藤卓先生の編著で「PTG心的外傷後成長:トラウマを超えて」という本が出版されました。私はこの中のひとつの章を担当させていただき、「アメリカにおけるPTG研究:文化的観点から」というタイトルで執筆しました.